シルクハットの夢物語

告白
(*想い出に創作を添えて)

ひどく激しい雨が降っていて、うとうとしていたら、いろいろな記憶が浮かんでは消えていった。どこまでが夢で、どこからが現実かもさだかではないけれど、雨音の勢いにまかせて記してみる。

この話をどうやってはじめたらいいだろうか。それはある夜の話。いつものようにあたしは歌舞伎町の待機でガラケーをいじりながらぼんやりとしてた。

マネージャーさん(的な役割の方なので仮名Yさん)に白いジャガーで送られているとき、ある不可思議な話を聞いてしまった。

Yさん
「そういえば、ゆかさん、こないだ昼間に歌舞伎のあたりを歩いていたんですよ。そしたら前のほうに、シルクハット被ってステッキみたいなの持っている人がいて、なんだあれ、若そうなのにこの出で立ちは絶対やばそうだな、と思ってとりあえず無視しながら歩いてたんですよ。そしたらその人が話しかけてきて、ボク絶対からまれてると思ったんですよ。」

あたし
「そりゃ、かなりやばいですね。昼間にシルクハットにステッキというのも結構すごい着こなしだけども、若い男性だとビビりますね。」

Yさん
「ええ、ステッキってそれなりに年令のいった人のイメージがあるじゃないですか。しかも昼間の歌舞伎でシルクハットっすよ。うわ、もうなんだこいつ・・・と思って見てみたら」

あたし
「ええ」

Yさん
「オーナーだったんですよ。」

あたし
「ブッ(・・;!!! ええぇ・・・」

Yさん
「しかも、”おお、Yくんもどうこれひとつ?”って言っていたんで、ひとつって何をですか?と聞いたら、”このステッキ。これいいでしょ。”って言うんですよ。いや、ボクとりあえずなんていうか、今はまだいらないかなという感じで・・・と断ってはおいたんですけども」

あたし
「これ、やばいです。一生忘れなそうな話ですけども、いつか機会があったら、日記にしときます(笑)」

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雨は音を立てて降り続けている。

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