(創作を添えて、とある小説の感想としてここに。)
なぜだかはわからなかったけど、こどもの頃から、あたしは夜のお店のビラを配りたくてしょうがなかった。brbr私が20代のころでも誰もピンクチラシなんて言葉は使っていなかったいなかったけれど、brbrその言葉は見たこともないような90年代の響きだった。brbr私は歩きやすいとは言えないヒールにミニのワンピで、当時はまだビラ配りがOKだった場所でbrbr何百人もの通り過ぎる人に声をかけながら渡していった。brbr笑顔で受け取ってくれる人、無言な人、目を合わせてから逸らして早足で通し過ぎる人、brbr話し込んでくれて、そのまま飲んでいってくれる人、いろいろな人がいた。brbr「おねーさんはいくらなのー?」「ビラなんて配るんじぇねぇ!通報するぞ!」「キミさー、もっと真面目に生きなよ」brbrとか言われたりした。brbrbrイヤなことがあったら、呪文のように Yesterday Once More を口ずさんで、brbr感覚を麻痺させることをおぼた。brbrそういえば、昔みたい映画で Pretty Woman っていうのがあって、brbrジュリア・ロバーツが通り過ぎる人から罵声を浴びせられたりするシーンがあったなぁ〜とか思いだしていた。brbrbrあるときヘルニアを患ったあたしは、形成外科へ行ったけれども、brbrカラダに悪いからヒールは履かないほうがいいなんていう馬鹿げた療法をきいてから、そこの病院へは行かなくなった。brbr私はカウンターの中には入らないで、ただ外でビラを配る役目だったかけど、brbrママさんがたまにはカウンターの中で接客してもいいよ、と言ってくれたから、brbrお言葉に甘えてやらせていただいた。まともな対応ができたとは今でも思わないけれど、brbrはじめてではなかったし、なつかしさもあった。brbrbr私は体質的にお酒には酔えないし、ほとんど飲めない。brbrでも、雰囲気で酔うことならできるし、とても大好き。brbrbr何百回と Yesterday Once More を口ずさんだわたしは、brbrその数カ月後にアメリカへの飛行機の中にいた。やっとビザがおりたから。brbr飛行機の小さな窓から眺めたアメリカの空は、カクテルブルーだった。brbrこの色の空は国内にはないらしい。brbr淡いスカイブルーと、独特のオレンジ、それに白が層をなしていて、カクテルみたいな色だった。brbrbr数年後に帰国したら、いろいろと変わっていた。ピンクなビラは配れなくなっていたから、brbrもうあの頃には戻れそうもないや、って思った。brbrbr
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